Instagramの運用において、インサイトで見るべき指標はリーチ数やフォロー数など多岐にわたります。
運用の段階に応じてみるべき指標や目標数値も異なる中で、とくに重要となるのが“エンゲージメント”です。
直訳すると「誓約」や「契約」といった意味のエンゲージメント。インスタグラム運用・集客する上では最も重要といっていい指標ですが、その計測方法や活かし方を知らないユーザーも少なくありません。
Instagramのエンゲージメントとは?
Instagramにおけるエンゲージメントとは、投稿に対するフォロワーのアクションです。アクションとは、いいねやコメント、保存といった興味を示す行動すべてであり、投稿やアカウントへの興味関心の高さを示しています。
エンゲージメントをわかりやすく表現するなら、他ユーザーとの“親密度”になります。
親密度が高いフォロワーには投稿が積極的に表示され、ストーリーズの閲覧率も高まりやすくなります。逆に、親密度が低いフォロワーに対しては投稿を発信してもフィード欄に表示されづらくなるなど、Instagramのアルゴリズムはこのエンゲージメントがとても重要な概念となっています。
とはいえ難しく考える必要はなく、ユーザー間で当たり前のコミュニケーションがとられていればエンゲージメントが高い状態となります。投稿へのリアクションをはじめ、DMのやり取りやライブ配信の視聴など、興味を持ってフォローしたユーザーであれば普通に発生するアクションに基づくためです。
もしエンゲージメント率が、以降で解説する目標数値よりも低い場合は、フォロワーの属性がアカウントのコンセプトに合っていない可能性もあります。その場合は、投稿内容ばかりではなくフォロワーの集め方から見直す必要があるでしょう。
エンゲージメントの計算方法
Instagramにおけるエンゲージメントの計算方法は以下です。
【エンゲージメントの計算方法】
エンゲージメント率=(いいね数+コメント数+保存数)÷インプレッション数
表示回数を、ユーザーアクション合計数で割るという計算式になります。これは単純に、投稿を見たユーザーがどのくらいのアクションを起こしたのかを割合で示したものであり、あくまで一般的な算出方法です。
ここからは弊社が算出するエンゲージメントの考え方であり、フォロワーとの繋がりを示す意味から“内部エンゲージメント”と呼称しています。
【内部エンゲージメントの計算方法】
内部エンゲージメント率 = ストーリーズの閲覧率 or ホーム率
ストーリーズの閲覧率 = フォロワー数 ÷ ストーリーズの閲覧数
ホーム率 = フォロワー数 ÷ ホーム数
ストーリーズの閲覧率やホーム率が、そのまま内部エンゲージメントの高さを示しており、それぞれフォロワーに対して閲覧数で割れば算出できます。
なぜこれらが内部エンゲージメントの高さを示すかというと、ストーリーズは基本的にフォロワーが閲覧する仕組みのため、純粋に「フォロワー内でどれだけストーリーズが見られているか?」を確認できるためです。
これらの内部エンゲージメントを高めるためには、日ごろからフォロワーとのコミュニケーション(交流)をとることが大切です。
エンゲージメント率の目安
ジャンルによって異なること、フォロワーの数が多くなるほど下がりやすくなるため一概には言えませんが、フォロワー数が1万人未満のアカウントエンゲージメント率の目安は2~4%です。フォロワー1万~5万人で1~2%程度になります。
また、内部エンゲージメントの目安は、ストーリーズの閲覧率が15%以下だと低いとされ、20%以上になると高いと考えられています。ホーム率は60%以上が最低ラインになります。
ちなみに立ち上げて間もないアカウントの場合はフォロワー数が少ないため、上記の数値を参考にすると少し物足りなくなってきます。例えば5人中1人と、1万人中2,000人では明らかに難易度が違うためです。母数が増えれば増えるほど、数値は低くおしのべられていきます。
フォロワー数が1,000人以上であれば、上記の目標数値を常に目指せば問題ありません。上回っていればエンゲージメントが高いアカウントであると言え、正しい母集団形成とストーリーズの投稿ができていることでしょう。
エンゲージメント率を高める方法
エンゲージメントを高める方法は以下の3つです。これらは段階的に行っていく必要があります。
- 正しい属性のフォロワーを集める
- DMによるコミュニケーション
- ストーリーズの投稿
まず投稿を届けたいユーザーだけに絞ってフォロワーを集めていきます。フォロワーは数字ではなく人です。そのため、闇雲にフォロワーを増やしても虚像にしかならず、アカウントへの興味関心が高くないフォロワーを増やしてしまうと、
正しい属性のフォロワーを集める
正しい属性のフォロワーとは、自身がターゲットとするユーザーのことです。集めたフォロワーとのエンゲージメントを高めることも重要ですが、それ以前に、エンゲージメントが高まりやすい人からフォローされているかどうかが非常に重要です。
フォロワーはただ増やしても意味がないどころか、自身がターゲットとするユーザー以外が増えれば増えるほど、どうやってもエンゲージメントを高められない間違った母集団が形成されてしまうことを知っておきましょう。
例えばパーソナルジムを運営しているアカウントにとっての正しいフォロワー属性とは、「痩せたい」や「ボディメイクしたい」など身体をメンテナンスしたいユーザーであると想像するでしょう。
しかし、それだけでは不十分です。正しい属性に絞り込むためにはそこからさらに、自身のパーソナルジムが「ダイエットがメインなのか?」「ボディメイクがメインなのか?」を区別していかなければなりません。
仮にサービスの売りが「ボディメイク」だった場合に、「痩せたいだけの人」が多く集まってしまうと最終的に集客が難しくなります。「無理はしなくない」や「ただコンプレックスを解消したいだけ」のように、痩せたいけどボディメイクほど本気では悩んでいないユーザーが集まるのは正しくないからです。
このように、悩みの深度や状況を細かく設定することで正しい属性のフォロワーを集めることができます。
DMによるコミュニケーション
正しい属性のフォロワーを増やすことが前提ですが、エンゲージメントを高めるにはフォロワーとコミュニケーションとることも有効です。DMでフォロワーと交流する等、ただ一方的にフォローされる関係ではなくインタラクティブな関係を築くことが理想です。
前述のとおり、Instagramのアルゴリズムはユーザー間のアクティブ性を重要視しています。例えば、フォローしたけど投稿は一切見たことがなかった場合でも、1回DMのやり取りをしただけで、次の瞬間からそのユーザーの投稿がフィードの上位に表示されたり、ストーリーズが表示されやすくなります。
ただし、エンゲージメントを高めるためだけにフォロワーとコミュニケーションをとろうとするのは間違いです。あくまでも、フォロワーと交流した結果、自然とエンゲージメントが高まるという考え方です。なぜかというと、DMさえ送ればいいと考える人は、同じ文面の定型的な挨拶文をコピペして多くのユーザーに送信するといったことを考えます。これが大きな間違い。
何でもかんでもメッセージを送ればいいということではなく、フォローされたら感謝のDMを送ったり、他ユーザーの投稿に反応したり、インスタを楽しむ中で発生する自然なコミュニケーションが増えるのが正しい交流です。アルゴリズムをハックする考え方は今後淘汰されていくでしょう。
フォローに対する感謝のDMも、コピペはせずにすべて手打ちでそれぞれ異なる文章を送りましょう。定型文のような手紙ではインタラクティブな関係性は生まれません。
ストーリーズの投稿
ストーリーズの閲覧数が伸びないことには、投稿やリールも外部にリーチしていきません。そのため、ストーリーズの内容も最適化していく必要があります。
フォロワーからの閲覧数が伸びやすいストーリーズには、いくつかの条件があります。
- インタラクションが発生しやすい
- 「自分事」にしやすく「独自性」を含んでいる
ストーリーズは闇雲に発信しても閲覧数は伸びません。どんな内容でも、必ず意図をもって発信する必要があります。ポイントは、ストーリーズを見たフォロワーの心理状態を考え抜くことです。
インタラクションが発生しやすい
インタラクションとは、ストーリーズ内におけるフォロワーのアクションのことであり主に以下が該当します。
- コメントする
- リアクションする
- 質問BOXに投稿する
- アンケートに答える
- シェアする
ただ見られるだけよりも、何かしらの反応を示されるストーリーズの方がフォロワーとインタラクティブ(双方向)なコミュニケーションがとれていると認識されるため、フォロワーとのエンゲージメントは高まっていきます。
【インタラクションが発生しやすいストーリーズの例】
簡単なアンケートやスライダーでもいいので、何かしらストーリーズを見たユーザーがアクションできる要素を散りばめましょう。小さなアクションを積み重ねてもらうことで、最終的にはライブ配信の視聴だったり、サービスの購入といった大きなアクションにつながっていきます。
「自分事」にしやすく「独自性」を含んでいる
ストーリーズは24時間で消える仕組みであり、残り続ける投稿に比べて、刹那的な発信の意味合いが強いです。そのため、日常や様子や日々の気付きなど、どちらかというとドキュメンタリーのような側面を発信するものです。
何気なく目にした中で「自分事」に感じられる内容は共感が持て、さらに「独自性」が含まれることでアカウントへの尊敬の念が生まれます。この積み重ねがファンメイキングの第一歩となります。
【「自分事」にしやすく「独自性」を含むストーリーズの例】
例えば、上記の例には「自分事」と「独自性」がそれぞれ以下のように仕掛けられています。
自分事:リールの投稿時間はいつがいいのか悩んでいる
独自性:実際に検証してみてわかったこと
つまり、ただ役に立つ情報というだけではなく、それを発信しているアカウントに対して興味がわくような内容になっているということです。単なるプライベートのストーリーズであったとしても、必ず「自分事」と「独自性」を含むような設計があれば閲覧数は伸びやすくなります。
エンゲージメントが下がってしまう原因
エンゲージメントが下がってしまう原因は、上記で紹介した方法の真逆のことをやってしまっている可能性が高いです。
【エンゲージメントが下がってしまう原因】
- 正しくない方法でフォロワーを増やした
- フォロワーとほとんどコミュニケーションをとっていない
- ストーリーズの内容が不適切
弊社にご相談をいただく方の中には、何をやってもストーリーズの閲覧数が伸びないという悩みをもったアカウントもあります。原因を探ると、過去にフォロワーを購入したりいいね活動で増やしていたりと、アカウント自体を作り直した方が早いケースも珍しくありません。
エンゲージメントが低い方は原因の切り分けとして、まずストーリーズの内容を改善しましょう。いろいろな内容を試しても閲覧数が高まらない場合は、フォロワーの母集団形成に失敗している可能性が高いです、そうなると、その状態でストーリーズの内容ばかり気にしていても何も変わらないため、正しい属性のフォロワーを獲得していって母集団を新陳代謝させるか、アカウントを作り直します。
このように、エンゲージメントが下がってしまったり、低い原因は必ずしも投稿の内容だけとは限りません。むしろ、投稿の内容ばかりに気をとられて、そもそもどんな人にフォローされているかを見直せる運用者は実は多くありません。
まずはフォロワーの属性、次にストーリーズや投稿の内容です。これから新しくアカウントを作る方は、後で大きな方向転換をしなければならない事態を避けるために、今回お伝えした内容を予め知っておいた方がよいでしょう。
エンゲージメント率だけではないインスタ運用のコツ
Instagram運用で見るべき指標はエンゲージメントだけではなく、そこにつながるプロフィールアクセス率やフォロー率など他の指標も同時に追っていかなければいけません。
そのためには、ストーリーズやリールなど幅広いコンテンツを使いこなさなければならず、具体的に何をすればいいのか悩む運用者は少なくありません。
オアードでは、そんな「本気でインスタから集客したいが路頭に迷っている」方の運用を代行します。
一般的に流通しているインスタのノウハウの中には、アカウントを壊滅しかねない間違った情報もたくさんありますが、オアードの運用・集客ノウハウは、これまで300以上のアカウントで仮説・検証を繰り返して“実際に自社で確認済み”の確かなものに基づきます。
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