インスタグラムは日本人口の4人に1人がアカウント登録しているなど、圧倒的なユーザー数を誇るSNSです。
そんなインスタグラムは正しく運用すればとても高い集客力をもっており、個人でサービスを展開する人はもちろん、法人によるメディアアカウントでも同じく有効な集客チャネルとなります。
本気でインスタからの集客したい人は、当記事で解説する集客方法をぜひ実践してみてください。基本的な手順とちょっとしたコツを知っていれば誰でも実践が可能です。
インスタの集客効果が高い理由
インスタは集客力が高いSNSです。その主な理由は以下の4つです。
- 月間アクティブユーザーが3300万人
- 視覚情報による訴求がメイン
- ファンメイキングしやすい
- 正しい運用方法が知られていない
SNSで集客をする上で必要不可欠になるのは大きく分けて「アクティブユーザー数」と「ファンメイキングしやすいかどうか」です。どちらかが欠けても集客は難しいのですが、インスタはTwitterなど他SNSにくらべて特にファンを作りやすいプラットフォームになっています。
月間アクティブユーザーが3300万人
2019年に発表されたFacebook(インスタグラムの運営元)によると、日本国内における月間アクティブユーザーは3300万人となっております。日本の人口は約1億2000万人ほどですので、4人に1人以上の割合でインスタは利用されていることになります。
ユーザー数が最も多いのはTwitterで約4500万人ですが、趣味や好きなものに触れることを一番の目的として利用されるインスタの方が、多くのジャンルでは親和性を高めやすいと言えます。
さらに20~40代の人口分布が多く、どちらかといえばサービスや商品購入を積極的に行いやすいユーザー層が多いことも集客効果が高いとされる理由でしょう。
視覚情報は記憶に残りやすい
「インスタ映え」という言葉が生まれたように、インスタは画像や動画がメインの「視覚的に楽しむ」SNSです。認知特性は人それぞれ異なりますが、視覚情報はテキストや音による伝達に比べて記憶に残りやすく、インスタはまさに「覚えてもらいやすい」ことが大きなメリットです。
また、テキストや音と違い、画像や動画でできる表現の幅はかなり広く、独自性のあるコンテンツを生み出しやすいことも、先行者利益がすべてにはならない理由でしょう。
ファンメイキングしやすい

SNSを集客チャネルにする際に、絶対に必要になるのが「ファンメイキング」です。ファンメイキングとはその名の通り「ファンを作っていくこと」ですが、この重要性を知らずに、商品を売り込むために自分本位な運用をしてしまっている人がかなり多いです。そして、そうした運用の先に、集客における成功の未来はありません。
インスタはファンメイキングしやすい点が、他のSNSと比べても集客向きといえる大きな違いです。あらゆる商品がコモディティ化(汎用なものになること)している現代では、洪水のように浴びせられる情報そのものに価値はなく、ひと昔前のようにサービスや商品自体のファンになるケースは多くありません。
「何を買うか?」よりも購入の意思決定で優先されるのは「誰から買うか?」。つまり、ユーザーが自分のファンになってくれることが集客のための最も大切な要素ということです。
正しい運用方法が知られていない
冒頭で、インスタは基本的な手順を知っていれば誰でも再現できるとお伝えしましたが、あくまでも“知っていれば”の話です。実は「インスタの集客方法」で語られるほとんどの情報は、信ぴょう性にかける「噂が市民権を得てしまった」ようなものが多いのです。
その代表的な例が「いいね周りやフォロー周りによるフォロワーの増加施策」です。ツール等で自動化しておらず、手動で健全なアクションを起こしているだけだからスパムにはならず真っ当なやり方である、と誤った認識を持つ人が後を絶ちません。
間違ったフォロワーの増やし方の主な例は、以下の記事でそれぞれ詳細をお伝えしていますので興味があれば見てみてください。
インスタでフォロワーを購入してはいけない5つの理由|百害あって一利なしを言い切れるワケを解説
インスタの自動いいねツールを使ってはいけない理由|規制だけではない本当のデメリットを解説
インスタグラムは「インスタを楽しむユーザー」が使いやすくなるよう設計されており、公式ガイドラインも健全性を保つために定められています。しかし、その性善説を信じて正しい運用を徹底して続けられる人は意外と多くないのです。逆にいえば、後発でも正しいやり方をすればまだまだブルーオーシャンということです。
インスタで集客できるアカウントの特徴
インスタで集客できるアカウントには、共通するいくつかの特徴があります。それが以下の3つです。
- プロフィールから投稿までコンセプトが一貫している
- 投稿やリールなど各コンテンツが最適化されている
- フォロワーからのエンゲージメントが高い
プロフィールから投稿までコンセプトが一貫している
インスタグラムは、アカウントごとで得意なジャンルやテーマを認識します。プロフィールに書かれている内容や、投稿の内容、投稿に使用されるハッシュタグまで、アカウント内のさまざまなコンテンツからヒントを得て「このアカウントは○○○に関するアカウントだ」と理解してもらうわけです。
例えば、以下のメディアアカウントは「離乳食」に関する情報を扱っており、プロフィールに「離乳食」と書かれているだけではなく、投稿の内容も離乳食にまつわるコンテンツのみで更新されています。


また、ハッシュタグも投稿の内容に合っているものだけに限定しており、一貫して「離乳食」というテーマに沿っています。

プロフィールから投稿内容まで一貫性を持たせなければならない理由はそれだけではありません。投稿を発信してユーザーと接点を作り、内容に興味を持ってくれたユーザーがプロフィールに訪れます。そのときに、投稿内容とプロフィール内容で乖離が発生してしまうと、フォローされづらくなるためです。
「部屋のお片付け術」の投稿に興味をもってプロフィールを見たら「育児系のアカウント」だった、といったイメージです。これでは期待とのギャップが大きくフォローはされないでしょう。
投稿やリールなど各コンテンツが最適化されている
フィード投稿やリールなど、インスタのコンテンツは多岐に渡ります。そして、それぞれのコンテンツで役割は明確に分かれており、すべてを最適な形で作成・運用していかないとフォロワーは増えず集客にもつながりません。
【インスタにおける各コンテンツの違い】
コンテンツ | リーチする先 | 指標 |
---|---|---|
フィード投稿 | フォロワーとフォロワー以外 | リーチ数、プロフィールアクセス数、保存数、フォロー数など |
リール | 主にフォロワー以外 | 再生数、保存数、フォロー数など |
ストーリーズ | フォロワーのみ | 閲覧数 |
上記のとおり、インスタグラムは“SNSにおけるWebサイト”と表現できるほど、コンテンツが幅が広く、各コンテンツを最適な形で運用することは簡単でありません。それゆえに、ファーストステップである「フォロワーを増やす」ことができずに頓挫するユーザーも少なくありません。
集客に成功するアカウントは、必ずと言っていいほど各コンテンツが綿密に設計されており、相互に役割を果たせています。
フォロワーからのエンゲージメントが高い

エンゲージメントとは、フォロワーとの親密度を表す指標です。インスタはフォロワー(内部)からフォロワー以外(外部)へとリーチが広がっていく仕組みのため、内部エンゲージメントが高ければ高いほど投稿が発見欄などの外部に露出しやすくなり、フォロワー以外へのリーチが増えていきます。

インスタグラム内で“内部エンゲージメント”という指標が設けられているわけではなく、あくまで正しくインスタ運用している運用者の間で使われている指標であり、算出するためには以下の計算式を用います。
内部エンゲージメント率 = ストーリーズの閲覧率
ストーリーズの閲覧率 = フォロワー数 ÷ ストーリーズの閲覧数
ストーリーズの閲覧率が、そのまま内部エンゲージメントの高さを示しており、フォロワーに対して閲覧数で割れば算出できます。
なぜこれが内部エンゲージメントの高さを示すかというと、ストーリーズはフォロワーにしか表示されない仕組みのため、純粋に「フォロワー内でどれだけ投稿が見られているか?」を確認できるためです。
つまり、エンゲージメントが高いアカウントはファンメイキングができているということです。ファンが多いアカウントは、ストーリーズやハイライトといった購入の導線になる設計だけをしておけば、セールスをかけなくても商品やサービスを購入してもらえます。
ちなみにストーリーズの閲覧率は15%以下だと低いとされ、20%以上になると内部エンゲージメントは高いと考えられています。内部エンゲージメントを高めるためには、日ごろからフォロワーとのコミュニケーション(交流)が大切になります。
インスタで集客できないアカウントの原因
反対に、インスタで集客できないアカウントにも共通する傾向があります。その主な原因は以下の3つです。
- 投稿内容に一貫性がない
- 売り込みを前面に出している
- フォロワーを数字としか見ていない
投稿内容に一貫性がない

あるときは「ダイエットの方法」を解説する投稿をし、あるときは動物ハプニング系のバズ目的の投稿をする等、投稿の内容に一貫性のないアカウントは集客できないどころかフォロワーが増えません。
正確には「増えないの」ではなく、「間違った属性の母集団ができてしまう」のです。フォロワー数は単なる数字ではありません。その内訳こそが重要なのです。
フォロワーは自身のアカウントに興味をもった、いわば顕在顧客に転換する潜在層ですが、「何に興味をもってフォローしたか?」がずれてしまうと、本来ターゲットとするアカウントではないユーザーからのフォローばかりが増えます。はじめから属性が違うため、どれだけエンゲージメントを高めようとしても顕在顧客には転換しません。
フォロワーを数字としか見ていない
インスタで集客をする場合、「まずはフォロワーを増やさないと!」と考えることは間違っていません。ただし、フォロワーを数字としか見ていない場合は、既に失敗に片足を突っ込んでいます。
ほぼすべてのインスタ運用者は、権威性や専門性を持たせるためにフォロワー数にこだわります。たしかに、フォロワーが少ないアカウントはフォロー率を高めづらいのも事実です。
しかし、前述のようにフォロワーは数よりも内訳(属性)の方が大切であり、その理由は、集客につなげるのであれば最終的にフォロワーはファン化させないと意味がないからです。
ただフォロワー数を増やすだけであれば難しくなく、例えばいいね周りやフォロー周りをしてフォローバックを狙い、とにかくたくさんいいねすればその分だけフォロワーが増加する仕組みで増やしても問題ないはずです。しかし、実際はこのようなやり方でフォロワーを増やしたアカウントは総じて集客が上手くいっていません。フォロワーとのエンゲージメントが低いためです。
売り込みを前面に出している
インスタのユーザーは売り込みを嫌います。もちろんこれはインスタに限った話ではないのですが、インスタで売り込みをすると「内部エンゲージメントが下がる」といった明らかなデメリットが発生します。
ですが、コミュニケーションをとらずにいきなりDMでセールスをかけたり、ストーリーズで頻繁に商品やサービスを紹介するアカウントが後を絶ちません。
サービスを購入したいユーザーにアプローチする分には問題ないのですが、「とにかく売り込みたい」と自己都合でDMをばらまいてしまうと、うっとおしいと感じたユーザーはそれ以降ストーリーズや投稿に反応しなくなるでしょう。
エンゲージメントが下がり投稿がフォロワーにリーチしなくなると、フォロワーが増えづらくなる負のスパイラルに入ってしまいます。
インスタで集客を成功させる方法
インスタで集客を成功させる方法は、以下の手順に沿ってアカウントを育成していくことです。
- プロアカウントに切り替える
- フォロワーを増やす
- フォロワーとのエンゲージメントを高める
- フォロワーをファン化させる
- 購入導線を作る
①プロアカウントに切り替える
インスタのアカウントを開設したら、まず初めに個人アカウントからプロアカウントに切り替えましょう。プロアカウントは集客のための様々な機能を使えるアカウントであり、特に「インサイト分析」はインスタ運用で必須のツールです。
プロアカウントへは、無料で誰でも切り替えることが可能です。
【プロアカウントでできること】
- インサイト分析
- お問い合わせ先の表示
- カテゴリラベルの設定
- インスタグラム広告の出稿
- メッセージボックスの複数化
- 管理者・編集者権限の付与
注意点としては、プロアカウントは、個人アカウントでは可能な「投稿の非表示」ができません。個人と違い公のアカウントという扱いになるため、そもそも投稿を非表示にする必要がないという判断がなされるためです。とはいえ、プロアカウントで集客のためにインスタを運用していく上で、投稿を消すことはあっても非表示にしなければいけない場面はほとんどありません。
プロアカウントへの切り替え方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
※記事タイトル(インスタ プロアカウント」に内部リンク)
②フォロワーを増やす
インスタのフォロワーを増やす具体的な方法はこちらの記事で詳しく解説していますが、大きく分けると、まずはコンセプトワーク。次に投稿をはじめとする更新計画です。
【フォロワーを増やすためのステップ】
- プロフィールを設計する
- 最低9投稿を揃えて世界観を作る
- インスタ広告を有効活用する
- リールで外部へのリーチを増やす
フォローされやすい土台を作ったら、投稿をコンスタントに行いリーチを広げていき、フォローしてくれた人とコミュニケーションをとりながらファン化させていく、といった流れになります。
フォロワーを増やすための正しい運用のポイントは、ユーザーがフォローする価値を明確にすることです。
③フォロワーとのエンゲージメントを高める
フォロワーとのエンゲージメントを高めるためには、以下2つを実践してきます。
- ストーリーズの更新
- DMによるコミュニケーション
ストーリーズがフォロワー外へリーチを増やすためのキーになると前述しましたが、ストーリーズも闇雲に何でもかんでも発信すればいいというわけではありません。
フォロワーの閲覧数が伸びやすいストーリーズには、いくつかの条件があります。
- インタラクションが発生しやすい
インタラクションとは、ストーリーズ内におけるフォロワーのアクションのことであり主に以下が該当します。
- コメントする
- リアクションする
- 質問BOXに投稿する
- アンケートに答える
- シェアする
ただ見られるだけよりも、何かしらの反応を示されるストーリーズの方がフォロワーとインタラクティブ(双方向)なコミュニケーションがとれていると認識されるため、フォロワーとのエンゲージメントは高まっていきます。
【インタラクションが発生しやすいストーリーズの例】

- 「自分事」にしやすく「独自性」を含んでいる
ストーリーズは24時間で消える仕組みであり、残り続ける投稿に比べて、刹那的な発信の意味合いが強いです。そのため、日常や様子や日々の気付きなど、どちらかというとドキュメンタリーのような側面を発信するものです。
何気なく目にした中で「自分事」に感じられる内容は共感が持て、さらに「独自性」が含まれることでアカウントへの尊敬の念が生まれます。この積み重ねがファンメイキングの第一歩となります。
【「自分事」にしやすく「独自性」を含むストーリーズの例】

また、フォロワーとコミュニケーションとることも有効です。例えばDMでフォロワーと交流する等。
ただメッセージを送ればいいということではなく、フォローされたら感謝のDMを送ったり、他ユーザーの投稿に反応したり、インスタを楽しむ中で発生する自然なコミュニケーションが増えるのがベストです。
フォローに対する感謝のDMも、コピペはせずにすべて手打ちでそれぞれ異なる文章を送りましょう。定型文のような手紙ではインタラクティブな関係性は生まれません。
④フォロワーをファン化させる
集まったフォロワーとエンゲージメントが高い状態を作れたら、個人アカウントであれば積極的にライブ配信を行っていきましょう。インスタライブは最もファン化させやすいコンテンツであり、リアルタイムで自身とフォロワーでコミュニケーションをとることができます。

また、テーマをもってライブするのも良いですが、質問を募集する形式をとりコメントを拾い上げていくなど、視聴者が“参加者”になれるような仕掛けがあるとさらに効果的です。
法人アカウントの場合も、運営者が積極的に投稿に登場しているのであればインスタライブは必須です。人物が登場しないメディアアカウントではライブ配信が難しいため、前述したインタラクションを生みやすいストーリーズを活用するなどして、フォロワーをファン化させていきましょう。
⑤購入導線を作る
インスタにおける購入導線の作り方は複数ありますが、オーソドックスな方法は以下の5つです。
- ショッピング機能
- ハイライト
- プロフィール内のリンク
- 投稿内容からのリンク
- ストーリーズ
ショッピング機能
ショッピング機能とは、プロフィールや投稿から商品購入できるページへ直接導線を繋げられる機能です。
【プロフィール内のショッピング機能】

【ショッピングからの遷移先となる商品購入ページ】

インスタでお気に入りの商品を見つけても、Googleに移動して商品名で検索しないといけないのは手間になるため、インスタ内で情報収集⇒商品を購入できることで「買いたい!」とモチベーションが高まったユーザーの離脱を防止できます。
ハイライト
ハイライトとは、プロフィール内に設置できるストーリーズをアーカイブした枠です。
【プロフィール内のハイライト】

【ハイライト内のストーリーズ】

ストーリーズは24時間で消えてしまい、だからといってストーリーズで頻繁に商品を紹介するのは売り込みになるためユーザーからは好かれません。
そんなときに便利なのが、このハイライトです。一度投稿したストーリーズをすべて遡ってアーカイブできるため、きちんと設計すればプロフィールを訪れたユーザーの目に留まり、購入まで至ってくれます。
プロフィール内のリンク
プロフィール内にもWebサイトへのリンクを設置できます。
【プロフィール内のWebサイトへのリンク】

【リンク先のWebサイト】

最もシンプルな方法ですが、このリンクから商品サイトに遷移するユーザーも一定数はいると考えると、設定しないよりは設定しておいた方が無難でしょう。
ただし、遷移先となるWebサイトが整備されておらず、遷移後に購入のモチベーションを下げてしまうようであれば、敢えてここにリンクは貼らずに、他の導線を目立たせた方が有効な場合もあります。
投稿内容からのリンク
投稿内にも商品ページへの導線をつけることができます。

画像内にタグをつけたり、「ショップを見る」を設置できるため、商品紹介を含む投稿の場合は設置を推奨します。
ストーリーズ
投稿と同様、ストーリーズ内にも商品ページへの導線をつけることができます。

ストーリーズは24時間で消えるため、限定的なプロモーションを行う際の集客口として有効です。ハイライトから購入導線は直接的なセールスであるのに対して、ストーリーズの場合は売り込み感の薄いセールスが可能です。
上記の例はキャンペーン情報のため直接的ですが、例えば、質問募集の回答をシェアする形でサービスの紹介を織り込んだり、投稿とは違った見せ方ができるのがストーリーズでの告知です。
法人アカウントで集客するときの注意点
インスタで集客できるアカウントの特徴や方法は、基本的に個人アカウントでも法人(メディア)アカウントでも同じです。ただし、“個人ではできるが法人ではできないこと”もいくつか存在します。最も大きなことは以下の2つです。
- 人が見えないとファン化しづらい
- ライブ配信できない
- 写真や動画の素材が用意しづらい
これらの問題を解消するために、法人(メディア)アカウントで集客をしたい場合は次の2つに注意が必要です。
フォローする価値を明確にする

法人(メディア)アカウントの場合、運営者が積極的に投稿に登場しているのであればインスタライブは可能ですが、人物が登場しないメディアアカウントではライブ配信を行っても「だれ?」となってしまい、視聴者は増えずエンゲージメントも高まりません。
ユーザーは、具体的な人物のファンにはなりますがメディアのファンにはなりづらいため、特にメディアアカウントは「ファンメイキング」が個人アカウントに比べて難しくなります。
だからといって、ファン化が全くできないわけではありません。ユーザーから「フォローしていてよかった」と感じてもらえればストーリーズや投稿も見てもらいやすくなり、次第にアカウントへの好感が持たれるようになります。
そのためには競合アカウントと同じことをしていてもダメですし、奇をてらった投稿をしてもニーズがなければ独りよがりのアカウントにしかなりません。つまり、最も大切なのはユーザーにとって「フォローする価値が明確かどうか」になります。
オリジナルコンテンツにこだわる
ファンを作りづらいことの次に課題となりやすいのが、投稿のための素材が用意しにくい点です。
例えば、旅行系のアカウントを運営する場合、運営者が個人であれば、自身が行った旅先の写真を投稿に使えます。しかし、メディアアカウントの場合は、「運営者自身が旅行に行っているから旅メディアを運営している」とは必ずしもならないため、「素材がネックでコンスタントに投稿しづらい」といった問題はよくあるでしょう。
特にリールは動画のため、静止画で作成できるフィード投稿に比べて、より素材問題が顕著になります。投稿のバリエーションも作りづらくなります。
こうした問題を解消するために、ほとんどのメディアアカウントでは「リポスト」という方法で投稿頻度を担保しています。リポストとは、他人の投稿を借りて自身のアカウントでも投稿することであり、簡単にいえばシェアです。
リポストした投稿はフィード欄にも載るため、他人の投稿だけでフィードを埋めることもできます。
【リポストで投稿されたリールの例】

投稿の問題解消に最適と思われるこのリポストですが、実は当社では推奨していません。なぜなら、インスタグラム自体が、「今後オリジナルコンテンツかどうかを重要視する」と明言しているためです。
【Instagramトップのアダム・モッセリ氏がTwitterで言及した内容】
簡単に要約すると、「コピーコンテンツよりもオリジナルコンテンツをより評価する」とあり、リポストはこのコピーコンテンツに該当します。
現在はまだ有効なリポストですが、今後は淘汰されていく可能性が高く、多くのメディアアカウントは「オリジナルコンテンツにこだわれるか?」の分水嶺に立たされるでしょう。
集客につながるコンテンツの作り方
ここまでインスタ集客の流れを説明してきましたが、実際に投稿する内容に価値がなければ正しい運用はできません。そしてフィード投稿とリールでは性質が異なるように、それぞれで良質なコンテンツを作成していかなければなりません。
フィード投稿
フィード投稿を作成する際に、注意すべき点は「タイトル」と「デザイン」の2つです。
■タイトルの付け方
シンプルかつ、見ることによるベネフィット(価値)が明記されていないと反応は悪くなります。以下は良いタイトルの例です。

■デザイン
投稿のデザインで気を付けたいのは、「ターゲットコールとなるキーワードの視認性」と「内容との整合性」です。
以下の図で、中断より下のデザインは実際に反応が悪く、それより上のデザインは反応が良かった実例です。

「ターゲットコール」とはユーザーが頭の中で想起する言葉で、例えばこの場合だと「離乳食」や「好き嫌い」。ですが、見てわかるように「メリット」や「デメリット」の方が目立っており、瞬間的に主語が伝わってきません。また、タイトルに対して背景写真がイマイチ嚙み合っていないことも問題です。
リール
リールを作成する際に、注意すべき点は「タイトル」と「構成」の2つです。
■タイトルの付け方
フィード投稿と同じく、サムネイルを見ただけでベネフィット(価値)がわかるようにしましょう。他にも感情を揺さぶる“パワーワード”を使用するのも有効です。例えば離乳食のリールでは「超簡単!」や「すぐできる!」がパワーワードになります。

■構成
リールは再生数と再生完了率が重要な指標になります。再生しないと内容がわからないリールは伸びません。加えて、開始3秒で「続きを見たい」と思われる構成や仕掛けが無いと、すぐに離脱されてしまいます。
また、同じユーザーに複数回再生されるような工夫も大切です。そのためには長くても15秒程度の尺にしたり、一回見ただけでは内容を理解しきれないようにするなど、繰り返し見たくなる仕掛けを組み込みましょう。
ストーリーズ

ストーリーズの作り方は、前述した「③フォロワーとのエンゲージメントを高める」を参考にしてください。
インスタ集客のコツ
基礎となる運用方針に沿ってアカウントを育成し、各投稿で良質なコンテンツを作る。これだけでもインスタは伸ばせますが、さらにアカウントの成長を加速させるコツが4つあります。
- インサイトで分析する
- インスタ広告を有効活用する
- インスタ集客の代行会社に依頼する
インサイトで分析する

インスタには「インサイト」という分析ツールが機能として提供されています。プロアカウントであれば無料で利用できるツールであり、確認できる情報には以下のようなものがあります。
- 投稿を閲覧したユーザーの人数
- 投稿が保存された数
- 投稿をシェアされた数
- プロフィールにアクセスされた数 など
インスタにおいて基本姿勢となる正しい運用方法は存在しますが、これをやれば絶対に間違いないという正解は存在しません。ジャンルやテーマによっても戦略は異なります。そのため、正解はないという前提の上で、常に仮説を立て、いかに効果検証を繰り返すかがインスタ運用の成功と失敗を分けます。
インサイトは効果検証を行うために必須の機能であり、インサイトの活用なくしてフォロワーを増やすことはできないでしょう。
インサイトの見方は以下の記事で詳しく解説しています。
※記事タイトル(「インスタ インサイト」に内部リンク)
インスタ広告を有効活用する
インスタ広告とは、インスタグラム内で出稿できる広告サービスです。ストーリーズやホーム画面に広告を表示することができ、テーマによってはかなり安価な単価でフォロワーを増やすことも可能です。

インスタグラムの公式が提供する広告メニューであり、広告を目にしたユーザーが自発的にフォローしてくれるため、広告によるフォロワーの増加は正しい運用の一部です。
とはいえ、広告出稿するということはCPA(獲得単価)のコントロールは絶対に必要になります。なんとなく出稿しても思ったような効果は出ないでしょう。目安としてはフォロワー獲得単価100円以下の投稿を作れるとベストです。
インスタ集客の代行会社に依頼する
インスタはSNSにおけるWebサイトのようなもので、TwitterやFacebookなど他SNSに比べて、必要なコンテンツが多岐にわたります。
フィード投稿は内容のテキストとデザイン、リールは動画の作成と編集、ストーリーズは24時間限定のポスト・・・など、各コンテンツによって役割も異なるため、すべてのコンテンツを正しく・戦略的に運用しなければインスタで集客はできません。
きちんと運用してインスタから集客したいと本気で考えている人は、インスタの運用代行サービスを活用するのもありです。アカウント全体の戦略設計からコンテンツ制作までを代行したり、一部のコンテンツだけを制作代行したりと、依頼したい内容に応じて分業することも可能です。
インスタ集客の成功事例
実際に、当社のお客様でインスタからの集客に成功した事例を紹介します。
当社への依頼の多くは、既にインスタを運用しているが、何かしらの理由で集客が全くできていない状態の方です。運用歴はさまざまですが、始めて数ヶ月の方もいれば、何年も間違った運用を続けてしまった方の駆け込み寺にもなっています。
いずれの成功事例も、今回ご紹介した集客方法を実践することで売上につながっています。
英会話講座アカウントの事例
元々はフォロワー数が数百人のアカウントで、運用開始から3ヶ月で現在はフォロワー数が1,500人以上となっています。
インスタからの売上は月間0円 ⇒ 100万円を越える月も発生するなど、高いエンゲージメントを実現したことで集客に繋がるアカウントへの成長できました。
【主に行った施策】
- 更新計画の見直し
- フィード投稿の内容改善
- リールの内容改善
- ライブ配信のコンテンツ設計
- ハイライト(購入導線)の整備
「英語を学びたい」人がターゲットになるため、学んだ後の具体的なイメージを持てるようなコンテンツになるよう内容を見直し。またライブ配信を一度もしていなかったため、コンテンツをプロデュースし毎日配信をフォローアップ。フォロワー数は決して多くないですが、集客=フォロワー数ではないことを証明した成功事例です。
妊活系アカウントの事例
5,000人以上のフォロワー数はいましたが、インスタからの売上はほとんど発生していなかったアカウントです。
女性のコンプレックス解消を支える講座サービスであり、当初はアダルト系の方向性で運用していたが集客に繋がっていなかったため、健康ジャンルにポジショニングを変えたところ、インスタからの年間売上が1,500万円以上になりました。
【主に行った施策】
- アカウントコンセプトの見直し
- ストーリーズの内容改善
- フィード投稿の内容改善
- リールの内容改善
- ライブ配信のコンテンツ設計
投稿の更新頻度は高くないですが、エンゲージメントがとても高いアカウントを実現できているため、基本はストーリーズの更新とプロモーションで安定した集客ができています。
離乳食アカウントの事例
ゼロから立ちあげた、食育をテーマにした離乳食アカウントです。メディアアカウントのライブ配信ができないなど集客への壁はいくつもありましたが、ストーリーズの閲覧率が30%の越えるなど、通常メディアアカウントでは考えられない高いエンゲージメントを実現しています。
【主に行った施策】
- コンセプトの設計
- プロフィールの最適化
- 投稿の更新計画策定
- インスタ広告の活用
- ストーリーズの最適化
立ち上げから行っているため、インスタ運用のすべての施策を行っています。何度もコンセプトの見直しを行っており、当初は食育を前面に押していましたが、インスタユーザーの属性に合わないなど問題が明確になり、現在は「ママ・パパのフォローアップして、子育てを今より楽にする」をテーマに運用しています。
離乳食を扱うメディアはほぼすべてがレシピ紹介やバズ目的のアカウントのため、「離乳食の知育」という独自のポジショニングを確立できています。
インスタの集客で困ったときは
インスタにおける集客の流れは理解できても、上記のとおりインスタは他SNSに比べてコンテンツの幅が広く、何をすればいいのか悩む運用者は少なくありません。
オアードでは、そんな「本気でインスタから集客したいが路頭に迷っている」方の運用を代行します。
一般的に流通しているインスタのノウハウの中には、アカウントを壊滅しかねない間違った情報もたくさんありますが、オアードの運用・集客ノウハウは、これまで300以上のアカウントで仮説・検証を繰り返して“実際に自社で確認済み”の確かなものに基づきます。
正しいインスタ運用で、効率的に集客したい方からの相談を随時お待ちしております。