ライター業には大きく分けて、紙媒体で文章を書くライターと、Web媒体で文章を書くライターの2つがありますが、作成する「文章の難易度」や「かかる工数」によって、原稿相場に大きな違いが出ているのが現状です。
とはいえ、実際の月収・年収はライターの力量に依るところが多いといえるため、あくまで参考相場として認識してください。
その上で、副業ライターのメリットやデメリット、稼ぐための手順を読んでいただければと思います。
記事の後半では、具体例として「月5万円の収入から始める副業ライターの道のり」を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
副業ライターで収入を得る前に知っておきたいこと

副業ライターで収入を得る場合「紙媒体」と「Web媒体」では一文字あたりの単価(文字単価)が違います。
- 紙媒体:一文字3〜10円(それ以上の案件もある)
原稿をチェックする時間・工数がWeb媒体の原稿に比べて圧倒的に多いため、1記事が完成するまでに1ヶ月〜1ヶ月半かかるといわれています。
仮に、A4サイズ、両面合計3000文字(文字単価10円)のチラシを作成する場合の収入は30000円(文字単価10円×3000文字)となります。
- Web媒体:一文字0.1〜5円
クラウドソーシングなどに掲載されている執筆案件を参考にすると分かりますが、初心者ライターが取り組みやすい記事(専門知識が必要でないテーマ・トピック)は文字単価0.1~1円程度となっています。
記事の公開までに工数がかからないのが特徴で、量産もできることから、1記事あたりに支払われる報酬が低いのが相場です。
とはいえ、「1記事あたりの報酬額の低さ」がそのまま月収・年収に直結するのではなく、「作成する記事数」との掛け合わせによって事情は大きく異なってきます。
仮に初心者ライターが、3000文字(文字単価0.5円)を1ヶ月に20記事納品した場合の収入は30,000円(文字単価0.5円×3000文字×20記事)となります。
つまり、文字単価が高い紙媒体よりも、文字単価が低いWeb媒体での執筆量をこなせば、Web媒体での執筆の方が稼げる場合があるのです。
副業ライターとして稼ぐならWebライターがおすすめ
副業ライターとしてWebライターをおすすめする理由は以下のとおりです。
- 紙媒体のライターは執筆以外のスキル(取材、デザイン調整など)も求められるため、未経験で副業として仕事を継続させることが難しい
- スキルや実績がないため安定した収入を見込めない
- 本業の収入があるので難易度の低い低価格の案件で経験が積める
- 実績を作りスキルアップすれば文字単価が上がっていく
副業ライターとして稼ぎたい場合は、紙媒体に比べて専門スキルが問われないWebライターで経験を積むのがポイントとなります。
文字単価こそ低いものの、執筆の経験や実績をポートフォリオとして残せる場合も多く、着実に受注する案件のレベルを上げていくことができます。
まずは「自分でも書けそう」と思う案件から受注し、徐々に報酬額の高い案件へとステップアップしていくと良いでしょう。
Webライターの仕事内容と必要な資格・スキル
Webライターの仕事内容は、クライアントの依頼内容に沿ってWeb媒体の記事を執筆することです。
目標KWDで検索エンジンに上位表示させるためにSEOの知識が求められる場合もあれば、「企業note」といった自社ブログの執筆に必要な顧客理解・サービス理解が求められる場合もあります。
端的にまとめると、「Webライターになるために特別な資格はありませんが、状況に応じて求められるスキルが変わってくる」ということになります。
以下にWebライターに求められるスキルを記述しましたので参考にしてみてください。
- SEOライティングについての知識
検索エンジンで多くの人にクリックされる記事を書くためには、SEOライティングの知識(検索エンジンがページを上位表示する仕組み・傾向を知り、記事ページに知識を落とし込むライティング)が必要です。
ここでいうライティングとは、単に文章を書く能力だけではなく、記事を上位表示させるために必要なタイトル・見出し設計の知識なども含まれています。
- 可読性の高い文章
Web記事では、読者が記事を「1つの読み物」として読めるような、文脈を意識した文章作成が欠かせません。
端的にいうと「可読性の高い文章」となりますが、常に「記事タイトル」や「見出し」との距離を考えながら文章を書くことがポイントとなります。
「一文一義」(1sentence,1meaning)を徹底すると良いでしょう。
- タイピングスキル
速く文章が書けるようになれば、執筆効率が上がって記事数を量産できるようになります。とはいえ、「タイピングの速さ」は「可読性の高い文章」が書けた上で役立つスキルとなりますので、まずは可読性の高い文章が書けるように努力しましょう。
- コミュニケーションスキル
クライアントから記事を発注してもらい、継続的に案件を獲得するための信頼関係を築くには、こまめなコミュニケーションが欠かせません。
ポイントは、クライアントの貴重な時間を奪ってしまわないように、質問する内容を選ぶことです。
検索エンジンで調べて分かることは自分で解決し、案件に依拠する疑問点・不明点はクライアントに質問するようにしましょう。
- 情報収集スキル
競合他社のコンテンツや、上位表示ページとの差別化を図るために必要なスキルとなります。
Webページ、書籍、参考文献、あらゆるツールを使った情報収集が欠かせません。
- 論理的思考力(ロジカルシンキング)
文章で読者を納得させるために必要なスキルで、一貫して同じテーマについて書き続ける文章、根拠のある文章を作成することがポイントとなります。
代表的な書き方の型には「PREP法」があり、以下の流れで「見出し単位の本文を執筆すること」が鍵を握ります。
- Point(導入結論)
- Reason(理由・根拠)
- Example(具体例)
- Point(結論)
ここで注意したいのは、「全ての見出しにおいてPREP法が実践される必要はない」ということです。記事の本文を必ずPREP法で書くのではなく、論理的な説明となるように、適宜PREP法の書き方を採用することになります。
稼ぐWebライターの平均年収とは
稼ぐWebライターの平均年収に関しては明確な情報が得られませんでしたが、Webライターの執筆料は、案件レベルによって原稿料(記事単価)と文字単価に分かれています。
案件レベル | 1記事あたりの原稿料 (記事単価) | 文字単価 |
初心者用の案件 | 1000円程度 | 0.1~1円 |
一般の案件 | 1000円~1万円 | |
スキルが必要な案件 | 1万円~10万円 | 1~10円 |
Webライターは執筆の経験実績や、専門職に就いた経験実績があるほど稼げます。
なぜなら、Webライティングで執筆する文章は企業のサービスサイトなどに掲載される場合が多く、企業のWeb担当者・マーケティング担当者の代わりに執筆するレベルが求められることがあるからです。
特に、高い専門性が求められる記事(法律系・医療系など)は記事単価・文字単価が高い傾向にあります。
副業ライターのメリット

副業ライターのメリットは以下のとおりです。
- 文章初心者でも稼ぐことができる
- 時間と場所に左右されずに仕事ができる
副業ライターの多くは本業を持っており、土日や仕事のすきま時間を使って執筆していることも多いです。
また、子育て中の主婦が、家事のすきま時間に副業を始めるケースもあります。
未経験でも手軽に始められるのが副業ライターのメリットといえるでしょう。
文章初心者でも稼ぐことができる
文章を書くことに慣れていない初心者でも、ライターとして稼ぐことができます。
クラウドソーシングなどを活用すれば、文章初心者でも書きやすいテーマの案件が見つかります。
取り組みやすい簡単な案件から始めて、経験を積めば徐々に収入を増やすことが可能です。
時間と場所に左右されずに仕事ができる
副業ライターの多くはWeb媒体でのライティング(Webライティング)となるため、パソコンとインターネット環境があれば、いつでもどこでも仕事ができます。
在宅はもちろんのこと、スマホがあれば、移動中の電車の中や職場の休憩時間でも文章を作成することが可能です。
副業ライターのデメリット

ライターの仕事は未経験から手軽に始められるメリットもありますが、一方で以下のようなデメリットもあります。
- 最初は大きく稼げない
- 初心者のうちは文章を仕上げるのに時間がかかる
まずは執筆の案件を受注してみないと分かりませんが、思いのほか執筆に時間がかかったり、文字単価の低い仕事しか受注できなかったりします。
いきなり高単価の案件を受注することは難しいのが実情ですので、低単価の案件を受注して経験を積む、もしくは高単価の案件を受注するためのスキルを身に付ける、といった戦略思考がポイントとなります。
最初は大きく稼げない

副業ライターになったばかりの頃は大きく稼げません。
なぜなら、高単価の案件に求められるスキルや実績がないため、比較的専門知識が求められない低単価の案件から受注することになるからです。
月数千円~5万円程度までは稼げても、本業と同じくらいまで稼ぐことは難しいと認識しておきましょう。
とはいえ、根気強く執筆の数をこなせば少しずつスキルが身につき、文字単価の高い案件を受注できるようになります。
初心者のうちは文章を仕上げるのに時間がかかる
文章を書くことに慣れていない場合は「何をどう書いたらいいのか」が分からないため、書き始めるまでに時間がかかることもあるでしょう。
また、「書くための情報リサーチ」に時間がかかることもあり、1記事を仕上げるまでの時間が予定よりも長くなってしまうことがあります。
初めのうちは誰もが上手く書けないものですので、SNSやブログ、日記など、文章作成に慣れることから始めてみましょう。
月5万円の収入から始める副業ライターの道のり

副業Webライターの平均年収は、未経験の場合60万円程度といわれています。
月収にすると5万円前後です。
仮に文字単価0.7円、1時間で書ける文字数を1500文字とした場合、週6日2時間ほど副業すると月5万円前後の収入となります(3000文字×0.7円=2,100円、2,100円×24日(週6日)=50,400円)。
副業ライターとして、月5万円の収入を上げていく手順は以下のとおりです。
- 実績がつくまではクラウドソーシングを利用する
- 最初は単価を気にせずに実績を作る
- とにかく積極的に気になる募集に応募する
- 専門知識が求められる記事を書けるように実践を積む
まずはクラウドソーシングに登録して案件を探しますが、案件に応募してすぐに受注できるのではなく、テストライティングの工程がある場合がほとんどです。
上記で記載したような月収5万円の例のように、毎日稼働できる確証はないため、あくまで執筆ペースの目安としてください。
副業ライター駆け出しの頃は、とにかく数をこなし、Webライティングの書き方や、Web媒体の記事に求められているものを経験していくしかありません。
大変地道な作業にはなりますが、数ヶ月後に高単価の案件を獲得し、月収を10万円、20万円とアップさせていく自分をイメージしながら取り組むことが大切です。
STEP1:実績がつくまではクラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングには未経験でも取り組める案件が豊富に掲載されているため、仕事を受注しやすく、着実に実績を作ることができます。
メリットは以下のとおりです。
- 会員登録をすればすぐに利用できる
- 自分が興味のあるジャンルやスキルに合わせた案件を見つけられる
- 取り組めそうな案件があれば、いくつでも応募が可能である
デメリットは以下となります。
- 未経験だと、文字単価が低い案件が多くなる
- 自分で探さなければ仕事は入ってこないため、収入が安定しない
- 案件に関するやり取りはサイトを介して行うため、クライアントの意図を明確に把握しづらい
仕事の受注実績を積み上げていくことで、多くのクライアントから信頼を獲得し、大量受注・高単価案件の受注へとつながっていきます。
STEP2:最初は単価を気にせずに実績を作ること
文字単価を上げるための一番の近道は「実績を作ること」です。
クライアントからすれば、実績のないライターに仕事を依頼するのは「未納品リスク」や「遅延リスク」があるため、なるべく依頼を避けたいと思うでしょう。
したがって、駆け出しの頃にできることは、実績を作るまでは単価にこだわらず、自分が取り組める案件をこなして実績作りに注力することです。
執筆の実績が豊富にあれば、クライアントは安心して依頼することができます。
STEP3:とにかく積極的に気になる募集に応募する
実績がない場合、案件に応募してもなかなか通りません。
仕事量を確保するためにも気になる案件があれば、積極的に応募しましょう。
人気の高い案件には応募が殺到したり、早い段階で募集が終了したりする場合があります。
ほんの少しでも気になる案件がある場合には、執筆やテストライティングがこなせるかどうかに迷わず、応募することをおすすめします。
STEP4:専門知識が求められる記事を書けるように実践を積む
クラウドソーシングにおける「専門知識が求められる記事を書けるライター」は相対的に見て少なく、自身がその地位を獲得すれば、文字単価・記事単価の高い案件も受注できるようになります。
具体的なジャンルには「健康」「金融」「IT」「不動産」「葬儀」などがあり、より多くの人に対して影響力を持つテーマとなります。
何か一つでも精通している分野・テーマがあると、それが強みとなり、単価アップや継続案件の受注につながります。
まずは着実に実績を積みつつ、タイミングを見て専門分野の知識を身につけることが大切となります。
まとめ:副業で収入を得やすいのがWEBライター
本記事では、副業ライターの収入事情やメリット・デメリット、Webライターとして稼ぐための手順を解説しました。
Webライターとして収入を増やしていくために、またさらにステップアップするために、以下の手順を覚えて実践していただければと思います。
- クラウドソーシングでとにかく案件を獲得して実績を作る
- +αのスキル(専門知識)を身につけて得意分野を作る
- 自分から単価交渉してみる