「SEO対策といえばキーワード」といっても過言ではないほど、キーワードを無視してWebサイトへのトラフィックを増やすことはできないでしょう。
キーワードとは、ユーザーが検索エンジンに投げかける質問であり、検索エンジンがユーザーのニーズを把握するためのピースでもあります。
SEO対策を実践する多くの方はキーワードを元に、日夜、内部対策をしたりコンテンツを作成していることかと思います。
今回は、競合性が低く狙い目のキーワードを選定する方法を解説します。
コンテンツの完成度が高くても、キーワードの選定を誤ると検索順位は上がり辛くなるので選定方法を予め把握しておくことをおすすめします。
SEO対策における“キーワードの競合性”とは
“競合性”とは、わかりやすくいうと「財の取り合い」具合のことです。
この場合の「財」とはキーワードごとの上位表示であり、“キーワードの競合性”とは「キーワードごとの上位表示の取り合い具合」となります。
一つの検索キーワードにつき、一つの検索結果が表示されることは言うまでもないですが、各社がこぞってあらゆるキーワードで上位表示するためにコンテンツを作成するので、多くのキーワードは“既にライバルが対策している”状態となっています。
Webページの評価は、ページが公開されてから経過した年数(ドメインエイジ)も考慮されるため、「先に対策した者勝ち」のように先行者利益が存在するのも事実です。
ライバルが対策していないキーワードを見つけられればブルーオーシャンでの戦いができるため、上位表示など効果に結び付きやすくなりますが、なかなか見つけられないのがキーワード選定の難しいところです。
競合性が低いキーワードは存在する
既にSEO対策に取り組まれている方からすると「競合性が低いキーワードなんてそんなに多く存在しないでしょ?」と思われるかも知れませんが、そんなことはありません。
競合性が低いキーワードは探せば意外と見つかります。
先程述べたように先行者利益は確かにありますが、競合性が低いキーワードを選び、やり方次第で後発でも検索順位をリプレイスすることは可能です。
リプレイスが可能な理由は、現在の検索エンジンが「ユーザーのニーズを満たせているか?」に重きをおいてコンテンツを評価できるようになってきているからです。
単純に「情報を先だしした方が勝ち」ではなく、後発でもユーザーにとって必要な情報を届けているコンテンツがあれば上位表示される可能性は高いです。
競合性が低い=SEO対策が簡単という訳ではない
詳細は後述しますが、競合性が低いキーワードを選定できたからといって、当然ですがどんなコンテンツでも上位表示されるという訳ではありません。
競合性が低いというのは、あくまでSEO対策における外的要因のハードルを下げたにすぎません。
SEO対策の本質である「ユーザーにとって有益なコンテンツ」を発信することなしには検索エンジンからの高い評価は得られません。
「ユーザーにとって有益なコンテンツ」の作り方は別の機会に解説しますので、合わせてご覧いただければと思います。
競合性が低いキーワードの選定方法

競合性が低いキーワードの選定方法は一つではなく、いくつかの方法があります。
ツールによってできることもあれば、少しノウハウや経験値が必要になる方法もあるので紹介する中からご自身ができそうなものを実践してみください。
先に結論を並べてしまうと、競合性が低いキーワードの選定方法は以下の4つです。
- キーワードプランナーで競合性を確認する
- 検索ボリュームが低いキーワードを選ぶ
- 検索結果に並ぶ他社コンテンツから把握する
- マネタイズしづらいキーワードを選ぶ
それでは、それぞれの方法について詳しく解説していきます。
①キーワードプランナーで競合性を確認する
Google広告のアドバイスツールとして提供されている「キーワードプランナー」を用いた方法が一番ポピュラーで簡単な方法になります。
Google広告とは、Googleが提供する広告配信サービスのことです。
Google広告に名称が変わるまではGoogleアドワーズという名前でしたので、アドワーズと言った方がわかりやすい人もいるかも知れません。
キーワードプランナーを用いてキーワードの競合性を調べるステップは以下です。
- Google広告にアカウント登録する
- 広告キャンペーンを作成する
- キーワードプランナーを開く
- 任意のキーワードの検索ボリュームを調べる
- 「過去の指標」の競合性を確認する
Google広告にアカウント登録する
Google広告のアカウントをお持ちの人は、まず管理画面にログインします。
持っていない人は先にアカウント登録を行いましょう(今回登録の手順は割愛します)。
Google広告は広告配信サービスのため、ログインすると広告配信キャンペーンのダッシュボードが表示されます。
広告キャンペーンを作成する
たまに「検索ボリュームを調べたが大雑把な数値しか出ない」という人がいます。
大雑把な数値しか出ない原因は、「広告キャンペーンが作成されていない」ためです。
Google広告は広告配信サービスで、キーワードプランナーは広告配信のアドバイスツールなので、当然ですが広告費用をかけているアカウントをGoogleは優遇しています。
そのため、大雑把な数値しか出ない人は始めに広告キャンペーンの設定というものを行う必要があります。
広告キャンペーンの作り方は、はじめにキャンペーンを作り、次に広告グループを作成してキャンペーンに割り当てるという流れになります。
詳しい登録の手順は割愛しますが、広告キャンペーンを最低ひとつ作れば大丈夫です。
※作成した広告キャンペーンは、広告配信したい場合を除いて必ず「停止」するようにしましょう。そうしないと広告配信が自動的に開始し、配信にかかる費用が請求されてしまいまうためです!
キーワードプランナーを開く
広告キャンペーンを最低ひとつ作成できたら(停止を忘れずに)、画面上部のツールから「キーワードプランナー」を開きましょう。
キーワードプランナーを開くと、入力窓が二つ表示されます。
競合性を調べるには右の窓に任意のキーワードを入力しますが、念のため項目の役割を解説するとそれぞれ以下となります。
▼新しいキーワードを見つける
その名の通りで、任意のキーワードに対して関連性が高いと思われるキーワード群が表示されます。
世界中のGoogle広告の配信キーワードも元に、Googleが持つデータベースから導き出されるキーワード群なので新しいキーワードを見つける際に役立ちます。
▼検索のボリュームと予測データを確認する
今回の目的であるキーワードの競合性を調べるには、こちらを使います。
任意のキーワードの検索ボリュームを調べることができ、改行で縦に並べれば複数のキーワードの検索ボリュームをまとめて調べることができます。
任意のキーワードの検索ボリュームを調べる
それでは実際に競合性を調べたいキーワードを入力して「開始する」をクリックしてみましょう。
競合性を調べる際のポイントですが、ひとつひとつキーワードを入力して開始するを繰り返すのは手間も時間もかかるので、サジェストツールでキーワード一覧を出してからまとめて調べるのがおすすめです。
サジェストの調べ方がわからない人は、「サジェストツール」などで検索すればいくつか無料ツールが出てきますので調べてみて下さい。
「過去の指標」の競合性を確認する
「開始する」をクリックすると予測データという項目が表示されますので、二つ右の「過去の指標」をクリックします。そうすると項目に「競合性」が確認できます。
「高」「中」「低」の三段階で表示される競合性は、広告配信におけるひしめき合いの強弱を表しています。
あくまで広告配信時の競合性を示したデータなので、そのままSEOの競合性ではない点に注意です。
しかし、広告配信もSEOもキーワードにおける露出を目的としている点では本質的には変わらないため、キーワードプランナーの競合性を参考に狙い目かどうかを判断するのも策です。
②検索ボリュームが低いキーワードを選ぶ
キーワードプランナーに表示される月間平均検索ボリュームは、ユーザーのニーズがあるかどうかに直結しています。
そのままの意味ですが、検索ボリュームが多いということはその分上位表示されたときのインパクトは大きくなります。つまり、SEO対策するライバルも比例関係で多くなるということです。
検索ボリュームが少ない程、返ってくるリターンも少なくなるため反対に競合性は低くなる傾向があります。
キーワードやジャンルによって他サイトの参入状況は千差万別なため一概には言えませんが、検索ボリュームが1,000以下のキーワードであれば比較的競合性は低くなりやすいと言えるでしょう。
狙いやすいキーワードの検索ボリューム目安
弊社の経験則ですが、検索ボリュームが500以下のキーワードはさらに競合性が低くなるため、小さな戦場で局地戦を制しながら上位表示を狙う方が効率的な場合があります。
検索ボリュームが低いということは、複合キーワードになっている場合が多いため、複合キーワードを広く抑えつつビッグキーワード(検索ボリューム)の獲得を狙う戦略もあります。
検索ボリュームが1,000ではまだ競合性が高い場合もあるため、100~500の間のキーワードで上位表示を狙いながら、SearchConsoleで流入状況を見て効果検証するもの効果的です。
検索ボリュームがないキーワードは狙わない
たまにいらっしゃるのですが、検索ボリュームが表示されていないキーワードをターゲットにしている場合があります。
検索ボリュームの概念を知っている人なら当たり前のように聞こえるかも知れませんが、キーワードの選び方を知らない人は意外とやりがちなミスです。
検索ボリュームがないキーワードをターゲットにしてしまう最大のリスクは、頑張ってもアクセスを得られないことではありません。「アクセスがないページを生んでしまう」ことです。
検索エンジンはアクセスがないページを低品質と評価する可能性があり、検索ボリュームがないキーワードを狙うということは必然的に低品質なページを生むということに直結してしまうからです。
③検索結果に並ぶ他社コンテンツから把握する
ツールに頼らず、キーワードの競合性を確かめる方法があります。それは「検索結果に他サイトのコンテンツ傾向」を見ることです。
正確に言えば、検索結果に並ぶ上位サイトの“タイトル”を見ることである程度は競合性を把握することができます。
検索エンジンはタイトルに含まれるキーワードから、そのページが検索キーワードに対して合致しているかを判断する評価基準を持っています。
さらに、検索キーワードがタイトルの前頭に配置されているほどSEO的な効果は高いとされており、いくつかの検索結果から現在もタイトル前頭置きが有効であることがわかります。
つまり何が言いたいかといいますと、検索結果に並ぶ上位サイト(1位~10位)のタイトルを見て、検索キーワードがどの程度ページタイトルに含まれているか、且つ前頭に配置されているかを確認すれば競合性がわかるということです。
ページタイトルに含まれていなかったり、含まれていてもタイトルの前頭に配置されていないページが多く並んでいる場合は、ページタイトルを最適化しなくても上位表示できる可能性があるということです。
YMYLに該当するキーワードでは当てにならないので注意!
YMYLとは「Your Money Your Life」の略表であり、Googleが設けているカテゴリーのことです。
YMYLは「人生に影響を与える情報」がカテゴライズされ、医療系や不動産、結婚離婚や保険など、選択によって人生に大きな影響を与えるであろうジャンルとキーワードが該当します。
YMYLに該当するキーワードの検索結果は、オーソリティが高いWebサイトが検索上位を占める傾向にあり、その理由は「コンテンツの信頼性」をGoogleが担保したいためです。
オーソリティサイトとは例えば以下のWebサイトです。
- 国が運営するサイト
- 公的機関が運営するサイト
- 病院やクリニックが運営するサイト
- 上場企業が運営するサイト
- 専門機関が運営するサイト
運営者不明のサイトよりも、上記のような運営元の方がページの信頼性を担保できることは明白です。
話を戻しますと、検索上位のサイトでページタイトルが最適化されていない場合はYMYLに該当するキーワードの可能性もあるということです。
この場合はドメインで評価されているので、ページタイトルやコンテンツを最適化しなくても大きなアドバンテージがあるため個人やオーソリティサイトに当てはまらないサイトでは太刀打ちできないということです。
いうなれば、最も競合性が高いキーワードであるということです。
④マネタイズしづらいキーワードを選ぶ
SEO対策で上位表示させる目的は、多くの場合において様々な成果をあげるためですが、主にマネタイズするために行っていることがほとんどかと思います。
反対にいえば、マネタイズしづらいキーワードはライバルが対策をしないため競合性が低くなります。
マネタイズしづらいとはどういう事かを説明する前に、Webサイトにおけるマネタイズの基本的なパターンを紹介します。
Webサイトのマネタイズ方法
Webサイト自体でマネタイズする手法は主に以下の4です。
- アドセンス広告(PVメディア)
- 物販(アフィリエイト)
- 自社サービスの販促
- 問い合わせ獲得
アドセンス広告(PVメディア)
アドセンスとは、Googleが提供するディスプレイ広告です。
自身のWebサイトにGoogleが提供する広告を張り付けることで、広告がユーザーの目に触れるたびに報酬が加算されます。PV数に応じて報酬が入るためハードルは低いですが、その分単価は低いです。
アドセンス広告を通じて商品が売れた場合は少し報酬単価が上がりますが、アドセンス広告単体でマネタイズするには相当数のPVが必要になります。
物販(アフィリエイト)
アフィリエイトとは、他社商品を紹介して代理販売する紹介業のことです。
ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)と呼ばれるアフィリエイトの代行業者が、マーチャント(広告主)とメディア(Webサイト運営者)の間をつなぎ、膨大な数の商品プログラムを提供しています。
自身のWebサイトに任意の商品広告を張り付け、そこから商品が売れると報酬が発生します。
商品が売れる以外にも、予約完了や資料請求など報酬発生の条件はいくつかあるため、販売の難易度に合わせて商品を選ぶことができます。
検索ボリュームが多いキーワードで1位をとると、月に数百万~数千万の売り上げをあげられるほどの可能性を秘めているのがアフィリエイトのメリットです。
自社サービスの販促
サイトにユーザーを呼び込み、自社のサービスを販促するためにSEO対策するケースも多いでしょう。
サービスサイトのSEOを行うことになるため、基本は内部対策にとって検索順位を上げる形になります。
ECサイトの場合は、商品購入の比較検討を後押しするようなお役立ち情報などを、サイト内で記事として発信するなど“メディア化”を行っているサイトもあります。
問い合わせ獲得
コンバージョンのポイントを問い合わせの獲得においているWebサイトもあります。
問い合わせから先でマネタイズされるため売り上げに直結しないケースが多いですが、見込み客を育成できるという点ではSEO対策でユーザーとのタッチポイントを作ることは有効といえます。
マネタイズしづらいキーワード=売上に直結しないキーワード
上記のいずれのマネタイズにも直結しないキーワードが、マネタイズしづらいキーワードとなります。
どういうキーワードがそれに該当するかと言いますと、例えば「赤ら顔 化粧水 市販」がマネタイズしづらいキーワードです。
市販で買える化粧水を紹介するのがメインになるため、どれだけユーザーを呼び込んでも結局出口は「市販での購入」となります。
そのため、SEO対策でユーザーを獲得しても売り上げにはつながりにくい特性があります。
さらに平均月間検索ボリュームは210と少ないため、わざわざターゲットキーワードにしてまで獲得しようとする企業が少ないのです。
ここまで聞いて「そんなキーワードを狙っても何の旨味もないんじゃないの?」と思われた人もいるかと思います。
実はマネタイズに直結しないキーワードを狙う価値もあります。それは“ビッグキーワードでの上位表示をアシストする”ためです。
前途した通り、いきなりビッグキーワードを狙うには競合性が高く、小規模の団体や個人が後発で対策をしようとしてもほとんどの場合リプレイスすることができません。
そこで、複合キーワードのような小さな(検索ボリュームが少なく競合性が低い)戦場で勝負をし、局地戦で少しずつ外堀を埋めていく戦略が効果的になる場合があります。
メインテーマに対する周辺情報から埋めていき、検索エンジンに対して情報の網羅性があることを少しずつ認識してもらい、最終的に大きなキーワードで上位表示させるといった具合になります。
競合性が低いキーワードは探せば見つかる!

キーワードプランナーを使った競合性が低いキーワードの探し方は、多くの人がご存じであったかも知れませんが、検索結果から推測する方法はあまり知られていないかと思います。
ツールを使う必要がないため、誰でもすぐに実践できる方法なので是非試していただきたいです。
その分、コンテンツの分析やSEO対策のノウハウや経験値がないと上手く競合性を測れないかも知れません。
ですが検索結果を見慣れてくると徐々に感覚はつかめると思いますので、根気よく競合性の調査を行っていってもらえれば幸いです。まだまだ穴場のキーワードはあります。
キーワード調査やコンテンツ設計に困ったら
そうは言っても中々キーワードの調査なんてできない・・・という人は、お気軽にオアードクリエイションにご相談ください。
個人セッションで、お客様の状況に合わせたSEO対策のお手伝いをさせていただきます。
マンツーマンレッスンも行っているので、これまでSEOを外部に任せても上手くいかなかった人は是非一度ご相談ください。
まとめ
今回は競合性の低いキーワードの見つけ方を解説しました。
オアードクリエイションのお客様の中でも「キーワード選定の方法がわからない」という人は意外と多いです。
いきなりコンテンツ作成に着手する担当者様が多いのですが、最も大事なのはコンテンツ作成前のプランニングであると考えています。
プランニングが上手くいっていないと、勝てる可能性が低い戦場に飛び込むことになるためコンテンツ制作ンお苦労が無駄になりやすいという大きなリスクがあるためです。
キーワードをしっかりと選定し、戦略に基づいたSEO対策のヒントにしてみてください。