「人前で話すのが得意」な人の方が珍しいと思うほど、多くの人は人前で話すことに苦手意識を持っています。

 

しかし、社会人になると嫌でも人の前で話をしなければならない場面は出てくるもの。

 

例えば、皆様も以下のようなシーンで嫌々人前に出たことはないでしょうか?

 

  • 入社時の自己紹介
  • 会社の朝礼や終礼で順番が回ってくる
  • セミナーの講師を務める
  • 社内・社外向けに勉強会を行う

 

大勢の人の前で話すことはなくても、初対面など1対1の会話でも緊張するシチュエーションはたくさんあるかと思います。

 

今回は、セミナー講師や勉強会講師など、合計20回以上の講師を経験してわかった「話が上手い人になる方法」をお教えします。

話が上手い人になるために必要なのは“意識”のみ

上手く話せない人からすると、上手く話すためにはテクニックや練習がたくさん必要なんじゃないかと思いがちですが、実はテクニックや長年の経験なんてものは必要ないのです。

 

結論から先にお伝えすると、話が上手い人になるために必要なのは“意識”のみです。

 

この場合における意識とは、以下の3つに意識を向けるという意味です。

 

  • 口癖を作っていないかどうか
  • 話を熱心に聞いている人は誰か
  • 聞いている人の表情とリアクション

 

私の経験上、記憶したカンペ通りに話そうとするのはあまり良くありません。理由は後述しますが、極端な話、上記の3つを意識できればカンペすら必要なくなります。

“意識”することで現在地を常に把握する

人前で話すとき、尺の長短はあれど話は必ず展開していき終息していきますが、そのプロセスで「自分の立ち位置を把握」することが何よりも重要なのです。

 

立ち位置とは、自分がいまどういう状況に立たされているか?ということです。

 

聞いていて話が面白くなかったり下手な人に共通するのは、自分主体になっていて聞いている人の感情や気持ちを無視してしまっていることです。

 

そうなってしまうのは、多くの場合が緊張によるものですが、緊張を解くためにも「自分の立ち位置を把握」しなければなりません。

自分以外にも意識を向けなければ目的は果たせない

野球の場面で想像してみてください。

 

  • 9回裏
  • 1点ビハインド
  • ランナー1塁
  • 2アウト

 

この状況であなたがバッターボックスに入ったというシチュエーションです。

 

まず考えるのは、ヒットを打つことだけだと思います。2アウトですから、長打を打たなければ1塁のランナーを返すことは難しいでしょう。あなたがアウトになれば負けが確定する場面ですから緊張して視野も狭くなります。

 

1ストライクを取られたことで、あなたはさらにプレッシャーで自分の中にしか意識が向かなくなります。

 

その直後、1ランナーが盗塁を成功させ2塁に進塁したとしましょう。

 

するとあなたが置かれている状況は一変します。単打でも同点にできる可能性が生まれたことで狙うコースなど選択肢が増えたのです。

 

しかし、もしあなたが自分の立ち位置を意識できていなければ、変わらず長打を狙うしか考えられないまま、「今やるべきこと」が正確ではなくなってしまうのです。

 

大切なのは、状況は変わるという前提で自分の現在地を常に意識できるかどうかです。

 

人前で話す場面に戻しますと、野球でいうランナーやストライクカウントは「話を聞いている人たちの表情やリアクション」です。それらを無視して満足いく話ができるはずないのは当然のことですよね。

話が上手い人になるためのコツ

以上のことを踏まえた上で、人前で話すときに使える話が上手い人になるコツを3つお教えします。

もちろん、話す内容によっても完成度は左右されてしまいますが、話し方を変えるだけで最低限のプレゼンは成立させることができます。

話が下手な多くの人は、「自分が準備してきた内容を話しきる」ことしか考えられていないケースがほとんどです。

先程お教えした通り、時間の経過とともに聞いている人の感情は上下し、状況は変化していきます。

その変化を捉えるためのマイルストーンが、以下でお教えする3つのコツです。

① 口癖を作らない

どうしても口癖は出てしまう、という人が多いかも知れませんが、「口癖を作らない」ことは人前で話すときの鉄則です。

 

なぜなら、口癖は自分にとって必要でも聞いている人には不要なものだからです。

 

聞いている人に不要なものはなるべく取り除いてあげなければなりません。

 

口癖としてよく使われるのが、以下のような無駄な取り繕いの言葉です。

 

  • ちょっと
  • あの
  • え~
  • まぁ
  • えーと
  • うーん

 

これらの口癖がなくなるだけでも、話が上手い人と思われやすくなります。それほど口癖が与える不快感は大きいということです。

 

特に「え~」は誰でも使ってしまいがちな言葉です。人の話を聞いていても「え~」と聞くことが多いのではないでしょうか。

 

口癖に限らず、意味のある言葉だけを使うのは非常な大事なポイントです。

 

「え~」には伝えたい内容も意味もないですよね?それはつまり聞いている人にとっては無駄な言葉ということです。

 

もし自分の話のペースを保つために使っているという人は、自分本位になってしまっているのでなるべく使わないように意識しましょう。

 

どうしても出てしまう口癖ですが、使わないことを予め自分ルールとして決めておくなどあえて意識することで自然と使わなくなります。

 

初期段階で意識づけすることで、「口癖は使わなくて当たり前」という認識を持つことができます。

 

話している途中で上記のような無駄なワードが出そうになったら、一度話を止めましょう。少し間ができても構わないので、意味のない助長な言葉は徹底的に使わない様に意識してください。

② 話を聞いている人を見つける

パレートの法則をご存知でしょうか?パレートの法則とは、「全体を構成する要素のうち、2割の要因が8割を生み出している」という統計学の法則です。

 

例えばセミナーに置き換えると、話を熱心に聞いている2割の人が、セミナー会場の空気という大部分を構築しているということになります。

 

わかりやすくいうと、どんな会場、どんな聴衆でも話をきちんと聞いているのは2割の人だけということです。6割は人は聞いてはいるが熱心ではない。残りは寝ている人です。

 

もしあなたが大勢の前でプレゼンやスピーチをしているときに、無関心な人や寝ている人がいても安心してください。人は大勢の中にいると集団心理が働くため、一定割合でそういった人がいるのは当たり前のことなのです。

 

聞いていない人に引っ張られるのではなく、必ず一人は熱心に話を聞いてくれる人がいますので、早い段階でその人を見つけましょう。後は話を聞いている人だけに伝えるつもりでモチベーションを上げていけばいいのです。

 

他の人を無視しましょうという話ではなく、自分が話やすい状況を作るには“話を聞いている人とOne to One”のコミュニケーションをとることが効果的ということです。

 

実際は大勢の前で話していても、自分の意識上は1対1の対話をしているつもりになることで、余計な緊張や取り繕いが自然となくなるものです。

 

当然、目配りは全体的に散らさなければ不自然になりますが、目配りのコースを決めてしまい、最後に話を聞いている少数に語りかけるようにするのが堂々とした話し方に見えます。

③ 聞いている人の表情とリアクションを見る

「人の目線を感じると緊張する」や「人の顔を見ると緊張する」という人もいるかと思いますが、聞いている人の表情やリアクションを見ないのは絶対にNGです。

 

それをしてしまうと、自分本位の話をしてしまうだけで余計劣勢になってしまうだけだからです。

 

むしろ、全体をくまなく見渡すことで視界が広がり気持ちに余裕が出てきます。ブラックボックスな部分を多く作れば作るほど、わからなくて不安に思うところが増えてしまいます。

 

前途した「自分の現在地を把握する」とリンクするのですが、聞いている人の表情やリアクションが現在地を示しています。

 

つまらならさそうにしていたら話に強弱やメリハリをつけないといけないですし、予定通りではなく少しペースを上げてメインコンテンツに入らないといけないかも知れません。

 

また、メモをとっている人がいるかどうかもチェックしましょう。メモを取っている場面こそ、聞いている人に一番刺さったポイントになるため少し厚みを持たせて説明してあげると満足度は高まります。

 

手元やプロジェクターばかりを見るのではなく、聞いている人とのアイコンタクトを意識しましょう。

人前で話すときの緊張をほぐすコツ

話が上手い人になるコツをお教えしましたが、緊張してしまってそれどころではないという人のために、緊張をほぐすためのコツも解説します。

 

緊張するかしないかは考え方ひとつですので、「自分はできる!」と前向き考えることが最も重要です。

「立ちふさがる壁」ではなく「チャンス」だと考える

苦手なことを目の前にすると、どうしても壁が立ちふさがっているように考えてしまいがちですが、実際にあるのは壁ではなく“後の自分を強くするためのチャンス”です。

 

有名なMr.Childrenの終わりなき旅という歌に、こんな歌詞がありますよね。

 

「高ければ高い壁の方が、登ったとき気持ちいいもんな」

 

本当にその通りで、終わって見ると高いと感じたハードルの分だけ達成感と経験が得られます。反対に小さい壁にばかり挑んでいたら、いずれ来る高い壁にぶちあたったとき乗り越えることはできないでしょう。

 

壁ではなく「これはチャンスなんだ!」と前向きにとらえることで、話も活力が生まれ聴衆を引き込みやすくなります。

自分を役者だと思い込む

これは極端な方法ですが、私が実際に実践している緊張の解消法です。

 

個人的な話になりますが、今でもそうなのですが基本は人見知りの性格です。ですので、元々は人前で話すことが何よりも苦手で嫌いでした。

 

しかし企業に努める中でどうしても人前に立たなければならない場面を迎えたとき、「人前で話すなんて自分らしくない・・・」と思いつつも、“自分らしくない誰かを演じる”ことで緊張はなくなりセミナーは好評をいただくことができました。

 

変な話かもしれませんが、「自分らしくないのであれば、セミナーで話すのは本当の自分ではないのだし失敗しても痛くも痒くもない!」と思いこむことで吹っ切ることができたのです。

 

人前で話すタイプではない人は、“講師という役を演じる”つもりで登壇してみてください。意外と緊張はほぐれて程よいモチベーションを作ることができます。

1対1の会話で話が上手い人になる方法

大勢の前で話をする際のコツをお教えしましたが、ここからは日常における1対1の会話編です。

 

1対1の場合や、日常生活における「話が上手い人」の特徴は、大勢の前で話す場合と比べて大きな違いがあります。

 

それは「相手の話を聞く上手さ」です。極端な話、一方的に相手の話を聞きそこまで自発的に発言しなくても「話が上手い人」と認識されることも可能です。

上手な話の聞き方のコツ

ポイントは、相手の主張を邪魔しないことです。

 

言いたい事があるからといって、話の途中で遮ってしまうのは絶対にNGです。まずは相手の話を聞くことです。

 

特に相談の場合は、聞いてほしいだけの場合もあるため、必ず適切な答えを返さなければならないのかというと意外とそうでもありません。

 

話の中で重要なところで、以下の3点を意識するだけで聞き上手になることができます。

 

  • 大きく頷くなどリアクションをとる
  • 納得や興味を表情で表す
  • 話を反証する

 

基本は相手の目を見て話を聞きましょう。時々そらしてもいいのですが、重要な内容のときは相手の目を見てることで、相手に興味を持ってもらっていると認識してもらうことができます。

間違いを抵抗なく正してあげる方法

最後に「話を反証する」ですが、反証とは仮説や主張を、証拠をあげて否定することです。

 

人の話はすべてが事実ではないですし、相談事の多くは思い込みです。

 

基本は肯定するのですが、その中でも思い込みや間違いを正してあげることでオーソリティが高まります。

 

否定の仕方にもコツがあり、主観や感情ではなく客観的事実を証拠として教えてあげることです。

 

ときには感情で訴えかけることも大切ですが、「個人的には賛成だけど、○○っていう事実もあるから考え直した方がいいかもね」という具合に、個人の感情は相手に寄り添い、客観的事実をもって正してあげるのがコツです。

相手主体で考えることが大切

会話はインタラクティブなコミュニケーションですが、話が上手い人は主体を相手として話すことができます。

 

相手にとって最良はなにか?について、自分というバイアスを取っ払って聞くことができるのです。

 

「また相談したい」、「○○さんに聞いてもらうとスッキリする」という風に感じてもらえるかどうかは、“自分のことをどれだけ理解してくれているか”に尽きます。

 

相手の理解するためには、例えそれが一見すると支離滅裂でも「そういうこともあるのか」と素直に受け入れる姿勢を持ちましょう。

できる人に直接教わるのがいちばん効果的

冒頭で練習は必要ないと言いましたが、フィードバックをもらうことはとても重要です。

できれば中立的立場でフィードバックをくれる人がひとりはいた方が確実に成長できます。

 

私がセミナー講師を難なくこなせるようになったきっかけも、初めてのセミナーが社内プレであり、色んな人から良かった点と、少しの悪かった点をフィードバックしてもらえたからです。

 

台本やカンペにだけ向かっていてもあまり意味はありません。練習するなら人を相手にしましょう。

 

もし身近に相応しい相談相手がいない場合は、オアードクリエイションまでお気軽にご相談ください。

基本はWeb制作・SEO対策の支援を行っていますが、マンツーマンレッスンでのアドバイスも行っています。

 

初回のみ1時間の無料レッスンも行っていますので、興味があるかたはご連絡をお待ちしております。

 

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まとめ

話が上手い人になるのは、実はそこまで難しくありません。

 

意識しなければいけない点は限られているので、「ますは口癖を直そう!」とか「目配りから始めてみる」といった風にひとつずつ実践してみてください。

 

要は考え方次第ですので、楽しめないまでも新鮮さを感じられるくらいの余裕を出せればそれだけでも話はうまくなるでしょう。